日本心理臨床学会第33回秋季大会(パシフィコ横浜)
事例研究
支配的な対象への怒りを示す女性への心理療法過程
医療現場では治療者は主治医と協働しながら心理療法をおこなっている。岩崎は1人のクライエントに精神分析的心理療法を行う際,心理療法者psychotherapistとは別に管理医administratorを置くA‐Tスプリットの必要性を唱えた。本事例では主治医によって心理療法に介入がなされ一時的に関係が難しくなり,治療者とクライエントの関係にも困難が生じ,原家族の関係性が再演された。心理療法の要所において,クライエントと主治医の関係性を吟味することで,重層的に転移を検討できることが示された。