臨床研究に取り組むことになったきっかけとその後の経緯を中心に日本心理臨床学会 第42回大会で講演を行った。精神科病院での患者との関わりを通じて,治療者と患者双方の前意識・無意識的な何かが両者のこころの交流の内容と質を大きく左右していると考え始めた私は,治療者とクライエントとのあいだで何が起きているのか,またそのことに治療者とクライエントはどのようにして,どこまで理解することができるのかという部分に関心が向き,研究するようになった。明確には気づけていなかったことに気づくことによって,治療展開がもたらされる面白さについて説明した。